常識だと思いこんでいた!予防注射後は揉まない方が良い?

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当サイトの管理人は都内で看護師をしています。医療の都市伝説に興味があり色々と調べてみると、医療の常識のウソ・ホントがみえてきました。面白い情報もありますので、興味のある人は是非読んでみて下さい。当サイトへの情報提供はこちらから。

予防注射後は揉む?

予防注射後は揉む?

予防注射のウソ・ホント

予防接種の注射の後は揉まなければいけないと言います。しかし、反対に揉んではいけないという意見もあります。何故このような逆説があるのでしょうか。集団予防接種があった頃は、注射が終わった後に「よく揉んで下さい」と看護師に言われた記憶がありますが、理由は分からなくても医師や看護師の指示は守らなくてはいけないと思うものです。その為、接種後はアルコール綿で必要以上に揉んでいた人も少なくないはずです。では、この予防注射の後の正しい処置を紹介します。

インフルエンザのガイドライン

厚生労働省が発表しているインフルエンザワクチンのガイドラインによると、「注射後は摂取部位を清潔なアルコール綿で押さえる、摂取直後は同部位を液が漏れ出ないように注意しながら数回揉む」とあります。このガイドラインに従えばやはり注射後は揉む事が正しくなります。しかしガイドラインには続きがあり、「この時点で強く揉むと皮下出血をきたす事もあるので、特に血管の弱い高齢者や出血傾向のある被接種者ではこの点注意を要する」と伝えています。これもまた、揉んだ方が良いのか揉まない方が良いのか一般人には理解しがたい内容です。場合によっては揉まない方が良いのでしょうが、その場合の判断は素人ではなかなか難しいことです。

結局は揉む?揉まない?

私たち看護師はインフルエンザワクチン接種後、揉まないで押さえる程度にしてもらっています。実は揉む事で危険を呼ぶ可能性があります。インフルエンザワクチンは皮下注射です。皮下注射はもともと、皮下組織内に薬液をゆっくり吸収させたい時に行いますが、揉む事によって血流が良くなりワクチンの拡散を早めてしまい、血管内から広がって局所の副反応が強く出るという報告があります。更にはアナフィラキシー反応が起こる可能性も考えられます。その為、原則として接種後は患者さんへ揉まずに押さえておく程度にしてもらっています。子供は痛い注射が大嫌いなので、泣き叫ぶ子供をなだめる為にも母親がおまじないのように揉む事が多いのですが、先述のとおりインフルエンザワクチンは副反応を起こさないようにゆっくりと血管中に取り込みたい薬剤ですので、接種後は優しく押さえる事をお勧めします。
この予防注射にまつわる話でも分かる通り、都市伝説になる話は必ずどちらかに偏りをみせます。絶対揉んだ方が良いとか、絶対揉まない方が良いというもの言いは、表面にある危険性や利点だけを捉えているに過ぎません。その為、どうしても都市伝説のような話になってしまいますし、その真偽が見えづらくなるのです。